聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

口は笑っているのに、目が笑っていない。



「今すぐ翠ちゃんを僕のものにして、たくさんあいしてあげる」



ポケットから取り出したのは、小さな鍵。



その小さな鍵が牢屋にかけられている南京錠の穴に入り、カチャリと音を立てた。



「っやだ、やめてっ…!こっちに来ないで!!」



近づく蓮見先輩から逃げるように壁側に寄っても、すぐ冷たい感触が背中に伝わる。



「この部屋は防音になってるから、どれだけ叫んでも人は来ないよ。僕と翠ちゃんだけの、二人の愛の巣。いっぱい鳴いていいからね?」



その動きはまるで、スローモーション。



頬に伸びた手が、私の顔を包こもうとした。



────その時だった。



「──っ翠!!!!」



この世で誰よりも大好きな人が、私を呼んだ。



「っ…紫呉、さんっ…?」



いつもはサラリと揺れる黒髪も、今は汗で頬に張り付いているけれど。
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