聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

消せない過去と、これからの永遠を


「服も髪も変…じゃ、ないよね?」



玄関前にある全身鏡を見ながら、その場でくるりと一回転。



…うん、寝癖も大丈夫。



外にも出られるルームウェアの上に薄いカーディガンを羽織って髪の毛をとかしただけだけど、なんとか平気そう。



昨日、斗真さんに家まで送ってもらってからあまりよく眠れなかった…わけでもなく。



ご飯を食べたりお風呂に入ってゆっくりしたら、意外とすぐに眠ることができた。



でも、眠りが浅かったのかもしれない。



今日は祝日で学校が休みだというのに、4時に目が覚めてしまい。



そこからなかなか寝付けずどうしたものかと思っていたら、紫呉さんからメッセージが来た。



そこから話は進み、早朝から二人で会うことになったんだけど。



「お迎えは別に良かったのになぁ…」



玄関に腰を下ろして、小さくボソッと零す。



紫呉さんと会うことになったのはいいものの、心配だから迎えに来るという連絡が入った。



どこかで待ち合わせすればいいと思ったんだけど、過保護な紫呉さんはそれを許してくれない。



インターホンを鳴らすとまだ寝ている家族に迷惑がかかるから、家の前に着いたらまた連絡すると言われ。
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