アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「奥様ったら」

 クレアはベッドメイキングの手を止め、クスクス笑い始めた。

「旦那様は、奥様にやきもちをやいてもらいたいのですよ。もちろん、ノーラお嬢様に親身になりたいというう気持ちが大半ですが、ノーラお嬢様をチヤホヤすることで、奥様の気を惹きたいのです。男性って、そういう子どもっぽいところがありますから」

 可笑しそうにクスクス笑い続ける彼女を見ながら、「それは違うわ。彼にいたっては、世の男性の一般的な理論は通用しないの」と心の中で否定しておいた。

 でもまぁ、子どもっぽいところがあるという意見には大賛成だけど。
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