アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 クレイグが「クククッ」と笑っている理由はわからないけれど、負けず嫌いでちょっとおれ様なコリンに内心で呆れてしまった。
 

「うわっ! 美味しそうね。ノーラ、せっかくだしいただきましょう」

 大きなお皿に並んでいる小さめのケーキの数々。

 スイーツ命ではないわたしでも、心がときめいてしまう。

 ノーラも同様みたいで、青い瞳をキラキラさせて見つめている。

「がんばるぞ。ノーラ、いっぱい食べるからね」

 ヘンリーは張り切っている。

 ふふふっ。可愛いわよね。ノーラに気に入られたいばかりに張り切っちゃって。
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