アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「この紙の束がなにかは、きみも想像がついているよな? その想像は正解だ。きみのろくでなしの叔父一家が、街や郊外で借りた金貨の借用書すべてだ」
「正直、件数やトータルの金額は知りたくないわ。どうせわたし一人の力では返せないし」
「ああ、ミヨ。きみの言う通りだ。だったら、おれも告げるつもりはない。ぜったいに返すことの出来ない額だから。きみが転生を百回ほど繰り返し、そのすべての人生で働き続けたら、もしかすると返済し終わるかもしれないがね。だが、創作の世界のように転生など出来るわけがない。ということは、ぜったいに返せないわけだ」
「そうでしょうね。わかっているわ」
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