アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 ちょっ……。

 この子、ほんとうに子ども? おじさんが若作りしているんじゃなくって?

 と疑いたくなるほど老けた子である。

「嘘ばっかり。フランクは、伯爵子息のくせに公爵令嬢である彼女を侮辱したんだ。公爵子息である彼は、フランクに謝罪を求めただけだ」

 いかにも傲慢な貴族子息然とした少年は、ノーラとヘンリーを指さし教えてくれた。

 どこの子息かはしらないけれど、こういうことを言いつけるのはロクな子じゃないわよね。

「なんだって? マイケル、きみがそうしろと言ったからだろう?」

 ヘンリーを殴ったおじさん坊やは、フランクというのね。

 そのフランクは、さっきわたしに事情を語ったマイケルという子に命じられたわけなのね。

 ノーラを侮辱するようにと。

 ヘンリーは、その謝罪をフランクに求めた。そして、フランクはヘンリーを殴った。
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