アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「シャーロットも心配だったようです。奥様の部屋の前でウロウロしていましたので、入れてあげたのです」
「シャーロットが?」

 横を見ると、枕の上でお座りをしてこちらを見ている。

 視線が合うと、「シャーッ」と牙を剥いたようになった。

「ほら、奥様。彼女、奥様が元気になってよろこんでいますよ」

 ちょっと待って、クレア。

 これのどこがよろこんでいるの? めちゃくちゃ威嚇しているわ。

 それに、目覚めたときに顔がふさがれていたのは、シャーロットがわたしの顔の上に座っていたんじゃないの?

 クレア。あなたの物事をいいように捉えるその精神、尊敬するわ。

 それにしても、いつかわたし、シャーロットに呪い殺されるのではないかしら?
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