アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「おやめください。すぐにエントランスへお戻りください」
「いいじゃないか。おれたちは公爵閣下に呼ばれ、わざわざ来てやったんだ。公爵閣下を呼び出し、わざわざエントランスにお越しいただくのも気の毒だ。だから、こっちが捜しだして会ってやろうというわけだ」
「あなた、寝室には金目の物はないんじゃないかしら?」
「だけど、お母様。寝室に金庫を置いてあるかもしれないわ」
「だろう? 公爵閣下なら金貨の数百枚貯め込んでいるだろう」

 執事役のジェフを無視し、勝手なことを言っている三人の侵入者の声に覚えがある。
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