アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「ったく、面倒だな。わかったよ。ミヨ様、愛しています。だから、抱かせてください。どうだ? これでいいだろう?」

 彼を見上げると、ドキッとするほど真剣な表情が迫っている。

 彼に憎まれ口を叩いたものの、正直心の準備が出来ていない。

 抱かれたい、という気持ちと恐怖心がせめぎあっている。

「ダメよ。それだと、ただ抱きたいから言っているだけにすぎないわ」
「本気だ。いまのはマジだ」

 が、彼は断言した。同時に、強い力で抱きしめてきた。
< 302 / 303 >

この作品をシェア

pagetop