アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「比喩表現とか言葉を飾るとか、そういうことが出来ないものかね?」
「失敬したわけ? それとも、拝借した?」
「やれば出来るじゃないか。そもそも、これら借用書は、レッドメイン男爵からノーラが継いだものだ。ただ、ノーラ自身はそれがどこに保管されているか知らない。だから、おれが知恵を授けただけだ」
「物は言いようね。それに、彼女を日常的に虐待したりメイドのようにこき使ったりしていた男爵が、彼女に遺産を遺したとは考えにくいわ。当然、あのいけ好かない弟たちにもだけど」
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