Special Edition ②
「何だよ、あれ。すっげぇカッコいい上司がいるんじゃん。何で言ってくれなかったの?」
「……悠真?」
五日ぶりの抱擁。
抱きしめる腕の力から、不安なのだと伝わって来る。
「戸崎さんとは本当に上司と部下の関係なだけだよ。悠真が心配するようなことはないから」
「そんなの分かんないじゃん」
ダメだ。
今何を言っても聞く耳持ってくれない。
「とりあえず、ホテル行こ?」
「………誘ってんの?」
「……そういう意味のホテルじゃなくて、私が宿泊してるホテルに行こうって言ってるだけだから!」
「あ~はいはい。ホテルでイチャラブしようってことね」
「んもうっ!!」
悠真の言葉はドキッとさせられる。
だけど、これが普段の悠真だから、ホッと胸を撫で下ろす。
「いつ帰るの?」
「日曜の夜」
「じゃあ、ゆっくり大阪デートできるね」
「やだよ」
「え?」
「デートなんていつでもできんじゃん。五日も放置されたんだから、俺を可愛がってよ」
「っっっ~っんッ?!」
悠真は余裕の表情で唇を奪った。
もうっ!!
ここ人通りが多い繁華街なんだってばっ!!
「璃子さん、今から仕込むと、予定日は三月頃だよ~」
「は?……ちょっ……とぉ、そういうことは外で話さないでよっ」
「別にいいじゃん。二度と会うわけじゃないんだし」
「っっ……もうっっ」
完全にいつもの悠真だ。
こういうド変態な会話も、彼なりの愛情だって分かってるから。
「育てるのは大変だろうけど、数年あけて子育てするより、一度に育て上げた方が仕事復帰も早まるし、私双子が欲しいんだけど」
「へ?」
「……冗談、ウフフッ」
「いや、マジかと思ったぁ」
営業スキルを甘く見ないでね~。
まぁ、言ったことは本心だけど。
妊娠しづらい体質で、奇跡が起こせるなら強欲に双子を授かれたら超ラッキーだと思う。