孤独を生きる君へ
不意に眠気が襲ってきて目をこする。

眠気の原因は昨日の紙の束だろう。

家でみっちり目を通して頭に叩き込んでいたらいつの間にかいつもよりも数時間遅くなってしまったから。

でもそれだけバイト先が楽しみでワクワクしているのだ。

今日から本格的に仕事が始まって、接客していくことになる。

目を閉じて自分がカフェで働いているところを想像しながら先生が入ってくるのを待った。

その時だけ、周りの黄色い声たちが聞こえなくなって、風の音と生きている音と想像の音だけしかなかった。

先生が入ってきた途端、シーンと静まり返った教室。

それはまるで、串木野さんが私に見せる顔と國松くんに見せる顔と、先生がいるときの縛られた空間と監視の目が届かない解放された空間と似ていた。

女って怖いなあ、なんて自分も当てはまるはずなのにふとそんなことを思った。

女の闇は恐ろしい。

その中に浸けられたらひとたまりもない。

それもあって、誰も助けないんだろうな。そもそも私には助けてもらえる〝友達〟がいないからダメか。

面白くなって、顔を歪ませて嘲笑った。
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