孤独を生きる君へ
いじめられている君へ

またいじめだ。

毎日毎日よく飽きないな……。彼女たちへの思いつく言葉は〝感心〟だ。

どうしてこんなにいじめられているのに誰も助けに行かないのは相手が悪すぎるから、というのも当てはまりはするだろう。

けれど実際、周りは見て見ぬふりをして私の存在自体をなくそうとしている。そんな感じだ。つまりみんなから私への思いは幽霊。透明人間。とにかく存在のない架空の人物のような感覚。

それだけ私はいらない人間とされていた。

机たちを直しながら考える。

私の生きる意味ってなんなんだろうな、と。

ここまで嫌われていて生きる意味ってなんだろう。

それは私が周りの人たちのために生きていないから。私が私の意志で生きたいと思っているから。だから死にたいなんて考えたことはないし、いじめられていても〝生きたい〟の意志が強いから生きていられる。

いじめてくる世の中の人たちのために死ぬなんて嫌に決まっている。私がこれだけ生きたいから生きるのだ。

窓の外に目をやって、風に吹かれる葉っぱたちを眺めた。

バイト先のあそこも、こういう窓の外の世界みたいであってほしい、と思った。

新緑の葉っぱたちは暖かい日差しを浴びながら日光浴しているみたいに心地よさそうだった。
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