アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
大都は年齢の割に大人びている。
まあ、成人しているから社会的にも大人だ。だから、大人として扱いで正しいのだけど、世の中には、年齢ばかり重ねて精神年齢の低い大人も多い。
大都の場合は、幼い頃に母親を亡くした経験と、すでに働いている社会経験の両方が相まって、精神年齢が高いような気がした。
(すぐに裸になるのはどうかと思うけど)

そんな大都との同居は思いのほか順調で、最初にあった抵抗感は薄れつつある。
 朝食を一緒にとることも、くすぐったくて新鮮だ。
リビングに広がるコーヒーとパンの香り、他愛もない会話を積み重ねは、心地よい。

大きな窓からは、柔らかな朝日が差し込んでいる。
テーブル越しにいる大都を何気なく見つめると、それに気づいた彼がふわりと微笑む。

「お姉さん、今日も遅くなるから先に寝てていいよ」

かなり爽やかに言われたのに、 昨日の失態を思い出してしまった私は、カァッと頬が熱くなる。

まるで今日も一緒のベッドで寝ようと言われているような気がしてしまうヤバいヤツになっている。

そんなことは、言われていないのに……意識し過ぎ!

さっきから、心臓が忙しなく動いている。

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