アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「へえー、そんなことがあるのね。文化の違いからくるズレとか、当人は大変だけど、面白い。あはは」
お料理が運ばれて来て、すっかり打ち解けた正人からアメリカでの失敗談や暮らしぶりを面白ろ可笑しく話されて、お酒が進む。
ビールの後に頼んだ手元のワインボトルがいつの間にか空になっていた。
正人との間にあったわだかまりは無くなり、私の中では古くからの友人という位置付けに変わった。
追加したワインボトルが届き、ほろ酔い気分でグラスにつぎ足し、何回目かの乾杯をする。
「再会に乾杯!」
「由香里は、今付き合っている人いるの?」
不意打ちのように聞かれて、返事に困る。でも、心にうっぷんも貯まっていたし、酔いも手伝って本音を口にした。
「んー、どうなんだろう。付き合っていると思っていたのは、私だけだったみたいで、都合のイイ女だったのかもと思いあたって、ちょっとヘコんでいる」
と、ワインを煽り、空になったグラスに注ぎ足す。そして、何の気無しにおしぼりでテーブルを拭く。酔が回っているときクセだ。
「相手、どんな人?」
「カッコ良くて、意地悪、でも優しいの。ふふっ」
ワイングラスの淵を指先でなぞる。
こんなに飲んだのを大都が見たら、私からボトルと取り上げるかもと想像してしまい、胸の奥にツキンと痛みを感じた。
「相手のこと好きなんだ」
正人に指摘された私は苦笑いを浮かべ肩をすくめる。
「でも、もう、終わりにしないとね。あとは、ずっとひとりで暮らすの」
ワイングラスに残ったワインをグビッと煽る。空になったグラスの向こうで正人は、驚いたように目を丸くしていた。
「ずっとひとりでって……。これが最後の恋になるわけじゃないだろ。また、誰かと出会って恋をして、その先に結婚とかって、選択肢もあるはずだ」
「結婚? 私、向いて居ないから……ひとりが気楽でいいの。誰かに期待するたびに裏切られるような気がして、疲れちゃった」
トクトクとグラスにワインを注ぎ、それを飲み干す。
「そんな寂しいこと言うなよ」
「でも、これが私だもの。仕方ないわ」
正人は困った顔で微笑み、伝票を手に取った。
「飲み過ぎたな。送るよ」
お料理が運ばれて来て、すっかり打ち解けた正人からアメリカでの失敗談や暮らしぶりを面白ろ可笑しく話されて、お酒が進む。
ビールの後に頼んだ手元のワインボトルがいつの間にか空になっていた。
正人との間にあったわだかまりは無くなり、私の中では古くからの友人という位置付けに変わった。
追加したワインボトルが届き、ほろ酔い気分でグラスにつぎ足し、何回目かの乾杯をする。
「再会に乾杯!」
「由香里は、今付き合っている人いるの?」
不意打ちのように聞かれて、返事に困る。でも、心にうっぷんも貯まっていたし、酔いも手伝って本音を口にした。
「んー、どうなんだろう。付き合っていると思っていたのは、私だけだったみたいで、都合のイイ女だったのかもと思いあたって、ちょっとヘコんでいる」
と、ワインを煽り、空になったグラスに注ぎ足す。そして、何の気無しにおしぼりでテーブルを拭く。酔が回っているときクセだ。
「相手、どんな人?」
「カッコ良くて、意地悪、でも優しいの。ふふっ」
ワイングラスの淵を指先でなぞる。
こんなに飲んだのを大都が見たら、私からボトルと取り上げるかもと想像してしまい、胸の奥にツキンと痛みを感じた。
「相手のこと好きなんだ」
正人に指摘された私は苦笑いを浮かべ肩をすくめる。
「でも、もう、終わりにしないとね。あとは、ずっとひとりで暮らすの」
ワイングラスに残ったワインをグビッと煽る。空になったグラスの向こうで正人は、驚いたように目を丸くしていた。
「ずっとひとりでって……。これが最後の恋になるわけじゃないだろ。また、誰かと出会って恋をして、その先に結婚とかって、選択肢もあるはずだ」
「結婚? 私、向いて居ないから……ひとりが気楽でいいの。誰かに期待するたびに裏切られるような気がして、疲れちゃった」
トクトクとグラスにワインを注ぎ、それを飲み干す。
「そんな寂しいこと言うなよ」
「でも、これが私だもの。仕方ないわ」
正人は困った顔で微笑み、伝票を手に取った。
「飲み過ぎたな。送るよ」