飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

夏宮くんは独占欲つよめ


 私と夏宮くんはいつかと同じように玄関に注目して硬直する。


 ピンポーン♪


 呼び鈴、part 2 。



「……ほら、また凛がギャーギャーうるさいから」

「え⁉ 私⁉」

 そんなうるさかったかな!?

「凛ー?」

 ドアの向こうから聞こえた、聞き慣れた男の人の声にハッとする。

「彩人くん……!」

「彩人くん?」

 夏宮くんが眉をグッと寄せる。

「私の叔父さん!」

「お」

「あっ、わ、どうしよう⁉ とっ、とりあえず夏宮くん、向こうの部屋に隠れよう!」

「えっ」

「はやく!」

「俺のご飯は?」

「あとでちゃんとあげるので!ここはいったん退却しよう!ね⁉︎」

「えー」

 不服そうな夏宮くんをなんとか奥の部屋に押し込んで、私は玄関へと走った。
 
< 74 / 327 >

この作品をシェア

pagetop