私を導く魔法薬

彼女との出会い

 森の入口付近に差し掛かると、誰かがうずくまっているのを見つけた。

「あんた、大丈夫!?」

 ダリアは迷わず駆け寄る。
 見れば自分と同じかその下ほどの年頃の娘だった。

 娘は彼女を見ると驚き、それでも無理やり笑顔を作って立ち上がろうとする。

「無理しないの!ふらついているじゃない、どうしたのよあんた!」


 聞けば食料を探しに来たという。
 身売りをして生きているという娘らしいが、身体の知識もろくにないまま商売を続けているよう。

 ダリアはすぐに持ち歩いている栄養剤と体調を正常に戻す薬を、人間にも効くよう適量で混ぜて娘に手渡す。

「すぐに飲みな!」

 彼女は弱々しい手で、ダリアから差し出された薬を疑うことなく飲み干した。

「馬鹿っ!なんで気を付けないの!!あんた、人間なんでしょう!?身体は軟弱なんだから気を付けないと、死んじゃうかもしれなかったんだから!!」

「…。」

 娘は下を向き、本当に申し訳無さそうにして言った。

「…大丈夫です…私、それでもまだ生きています……でも助けていただいて、ありがとうございます…」

 娘は薬が効いてきたのか、なんとか立ち上がり頭を下げる。

 放っては置けないと思った。
 このままにしていたら、彼女はいずれ死んでしまうだろう。

 今こそあの彼が言っていたように、自分のできることを活かすべきではないだろうか?

 ダリアは決心した。
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