キミの翼が羽ばたく時。
「ごめん…」
呟くような声が聞こえる。
お兄ちゃんらしいな。
私はそう思ったらなんだか無性にお兄ちゃんが可愛く見えてきた。
「…お兄ちゃん。大好き。」
私はそう言うとお兄ちゃんを背中からギュッと抱きしめた。
「うぐっ」
お兄ちゃんはビクッと反応し、俯いた。
大好きな人に、こんなに思いっきり抱きつけるなんて、それはやっぱりとっても幸せなことなんだ。
妹の恋の感情なんて気づいてはくれないだろう。
だけどこれは、
妹の特権だった。