抗えない運命

宏樹side




「さぁ 
もう後戻りのできない

血と酒に溺れたパーティ始めよう!」


誰かがそういった途端
周囲が騒がしくなった。

周りにいる人の顔がはっきりとせず
言語もごちゃごちゃで

何を言っているのか分からなかった。
夢だと気づいた。 
周りの人は顔も名前も
知らないはずなのに
一緒の空間に居るとリラックスできた。

どうせ夢だし
僕も騒ごうと踵を返した。

振り向き一番最初に目に入ったのは
どっかの高校の制服を着た誠哉くんと蓮くんだった。


夢の中なのに二人がいることにちょっと驚いた。






「ねぇ…君、人間じゃないでしょ」
誠哉くんと蓮くんが
何を話しているのか気になった僕は
こっそり聞き耳を立てていた。 
突然後ろから少女の声がした。 
振り返ると白い服を着た少女が目に入った。
遠すぎて顔は見えなかった。




「ここは人間に作られた
ヴァンパイアが来る

血塗られたパーティなの。
夢の中であろうと来た君達は
もう私たちの仲間なんだよ。」



周りを見渡すと
誠哉くんと蓮くん以外にも

みんながいるのが分かった。






「さあ盃を持って!

新しい世界に乾杯をしよう!!」













いつの間にか
手に握らされたグラスを
煽った僕の視界は



暗転した。








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