香道部の佐山くんに初めての恋をしました。
「いつも、目を合わせて話してくれるのに最近はすぐ逸らされるから」
「そうなのね。それはいつから?」
「いつからって……あ、遠足が終わってからだ。帰り際にね、先輩にお土産をって話をしてそれから話をしてくれなくなって」
「お土産? 先輩って、部活の部長の高田先輩のこと?」
「うん。高田先輩だよ」
私が肯定すれば「それだよ、香花ちゃん!!」と大きな声で手を叩いた。
「……え?」
「え、じゃないよ! もしかして、気付いてない?」
「な、何を?」
「佐山くんの、気持ちにだよっ! 佐山くんは香花ちゃんのこと――いや、なんでもない。ごめんごめん」
いやいやいや、そこまで言うなら最後まで教えてよ!とっても気になるんだけど……と思い、千咲ちゃんに聞こうとしたのにチャイムは鳴るし佐山くん本人が帰ってくるし聞くことはできなかった。