同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「俺の素性はほとんどの人が知らない。知っているのは社長とその秘書、それと一部役員。社長の奥さんの手前、俺がこの会社にいることは伏せておきたかったからだ。それが、奥さんの知るところとなり、事情が変わってきた」

 「伏せないといけないようなことですか?だって長男なんですよね?」

 「まあな。継母である奥さんが産んだ次男もいて、それが後継者だと思われているからだろう。まだ、学生だがな」

 「なら、問題ないじゃないですか。いくら後妻さんだって、そんなこと言う権利今時ないですよね?お父様である社長が認めて会社に入社しているのに」

 「吉崎。お前本当にハッキリ言うなあ。その反応はお前が初めてだよ」

 課長は、頬杖をついて私を見つめた。

 「だから、お前が欲しいんだよ。俺についてきてくれないか?」

 「は?嫌です」

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