同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「正直、思い出したくないです。仕事以外のことで本当に振り回されて、紗良とも一度別れた。二度と会いたくない」
 
 苦々しげに大和は言った。
 
 「吉崎にも篠田のことで責められた。俺を選ばない理由は篠田とのことが遠因にあるようなことを言われたしな」
 
 椎名はため息をついた。
 里崎はそんな椎名にまたビールを注いだ。
 
 「当たり前ですよ。課長は賢いのに女の気持ちがわかってないですね。吉崎が問題の当事者である課長とどうにかなるはずない。吉崎は大和の恋人だったんですよ。胸に手を当てて考えて下さいよ」
 
 「なんで、過去形?」
 
 大和が睨んだ。
 
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