私に愛を教えてよ

偽りの三角関係






翌日、私は少し早めに家を出た。


朝練中は女子軍団がずっと朝倉くんをマークしてるから、終わった後のホームルーム前を狙おう。


グラウンドを覗くと、予想通り朝倉くんの観客がズラッと並んでいた。


莉央は顧問の先生と話し込んでるし、悠真はカラーコーンを交わしながらドリブルの練習をしてる。


あと5分で終わるのかぁ。


そう思いながらぼんやりと眺めていると、シュート練習をしていた朝倉くんと目が合った。


前と同じように優しく微笑んで一瞬手を挙げてくれたから、私も小さく手を振り返す。


朝練が終わると、部員も観客もぞろぞろ校舎に入っていった。


まだ朝倉くんのこと話せてないから、莉央と悠真が向かってきた時は、咄嗟に隠れた。




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