私に愛を教えてよ





「うん…!琉依ちゃんと帰りたいっ!」




彩乃ちゃんが嬉しそうにニコニコしているのを見て、羨ましいと思った。


素直な気持ちを相手にしっかり届けられるなんて、当たり前のようで難しい。


それを自然とできる彩乃ちゃんに、私は憧れてるよ。




「じゃあ、私こっちだから。また明日ね。」




彩乃ちゃんに手を振って途中で別れ、家に向かって歩いていく。


連絡先も交換して、また一緒に帰る約束もした。


これってもう、友達って呼んでもいいのかな。


しばらく自分を見失ってたけど、久しぶりにフワフワした明るい気持ちになってる。


彩乃ちゃんが話しかけようと思ってくれたのは実糸くんのお陰だけど、私が踏み出せたのは朝倉くんの言葉があったから。


実糸くんに気持ちをぶつけられたことも話せてないし…


明日、報告も兼ねてお礼を言おう。




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