私に愛を教えてよ





「……もしかして、未知琉依ちゃん?拓馬くんね!分かった!ちょっと待ってて!」




そう言って、スタスタと4組に入っていった。


優しい人で良かった…。


その後、すぐに朝倉くんが出てきてくれて、階段横の人目につかないスペースに移動する。




「琉依ちゃんが会いに来てくれるなんて…。何かあった?」




私が3年生の階にくるのはよっぽどのことだと思って、朝倉くんは心配そうな顔をする。




「朝倉くんと初めて話した時の…私が言ったこと、訂正しに来た。」




あまりピンと来ていないみたいで、首を傾げる。




「私も朝倉くんの立場ならそうするって言ったけど…今は違う。」




朝倉くんは内容を理解したけど、何も言わずに私の話を聞いてくれた。




「私は…1人で抱えたまま終わらせようとするなんて、賛成できない。朝倉くんの気持ち知ったからって、実糸くんが離れていくと思う?余計なお世話だって分かってるけど、朝倉くんだけ苦しんでないで、実糸くんにも分ければいいじゃん。」




私は朝倉くんを真っ直ぐ見ながら伝え切った。



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