私に愛を教えてよ





「さすが琉依ちゃんの親友、単刀直入に聞くね。」


「もう莉央やめてよ…」


「せっかくのこの機会、逃すわけにはいかないでしょ!」


「いいよ、何でも聞いて。去年の体育祭終わりに琉依ちゃんのこと見かけて、一目惚れした。」




サラッと答えちゃうんだ……。


去年の体育祭終わりに、初めて目が合った時のことを思い出す。



──────────きっと、あの時だ。



莉央の話を聞きながら歩いてただけなんだけど…。




「えええーーーっ!?そんなに前から琉依のこと!?」


「うん。琉依ちゃんから目が離せなくて、気付いたらいつも探してて…。最近ようやく自分の気持ち自覚した。」




そう言って私の方に顔を向けたのが分かった。


横からの視線がやけに熱いけど、私は手の中のなかなか進まないおにぎりを見続ける。


こういうのせめて私がいないところで話してよ……。




< 57 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop