私に愛を教えてよ





時間が止まっているかのように立ち尽くす彼から、私も目を離すことができなかった。


たった数秒間のはずなのに、とても長く感じた。


それから何度も学校でチヤホヤされてる2人の男子生徒を見かけるけど、やっぱり彼は私を見ている。


視線に気付いた時、最初は何となくチラッと見ていたけど、少しずつ気付かないフリをして、今となっては完全にスルー。


そんな彼が今、壇上で注目を集めてスピーチをしている。


何で私、勝手に気まずくなってるの……。


今までのことを思い返して何とも言えない気持ちになっていると、彼のスピーチは終わりを迎えていた。




< 9 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop