23時のミャーの大冒険
「……私も颯のこと心配だよ?夜も颯が帰ってくるまで事故とか大丈夫かなって心配だし、接待のある日は、相手の会社の秘書の人がものすごく綺麗な人だったら何だか嫌だなとか……」

俺は口元を覆う。

(やば、めっちゃ可愛いじゃん)

「颯?」

俺はひとつ咳払いをしてから、気持ちを落ち着かせる。

「俺、美弥しか一生興味ねぇから。だから美弥も一生俺のことだけ考えて一生俺の心配だけしてろよ?分かった?」 

「うん、分かった」

にこっと微笑む美弥が堪らなく愛おしくなる。美弥が妊娠中じゃなかったら迷わず、さっきのラブホへ直行だ。

「あ!颯っ、見てっ!」

「おっ、マジかよっ!」

美弥の指さす方を見れば、ミャーが辺りを見渡しながら路地をすり抜けていくのか見えた。

俺はすぐにアプリ片手に美弥の手を引く。

路地の反対側に回り込むと、俺達は探偵気分で電信柱の裏に隠れる。ミャーは俺達の前を通り過ぎると少し離れた自販機の後ろにちょこんと座った。
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