23時のミャーの大冒険
「お、この辺だな」

アプリの中のミャーの動きがほとんどなくなったのを確認すると俺は辺りを見渡した。

美弥もキョロキョロしている。

「あれ、此処」 

「ん?美弥どした?」

「あの、麻美ちゃんから教えてもらったベーグル専門店あったでしょ?」 

「あぁ、この間昼休憩で一緒に食べ行ったブルーベリーチーズベーグルのお店か?」

「うん。少し前にこのすぐ近くに姉妹店がオープンして夜はバーになってるんだけどね、そこにね」

俺はすぐに目を細めた。

「おい、美弥!バーなんかに誰と行ったんだよっ!まさか男じゃないよなっ!?」

「颯、よく考えてよっ!私妊娠中だよっ、お酒飲みにいく訳ないでしょっ、そもそも颯以外の男の人と出かけたりしないもんっ」

美弥の大きな瞳から、あっという間に涙が転がった。

「あ。マジで……ごめん。つい、その美弥が心配ていうか、好きすぎるっつうか、てゆうか、俺外で何言ってんだろうな……」

ハンカチで美弥の涙を拭き取りながら、ポンポンと頭を撫でる。

「ごめんな、俺が悪かった」

美弥が俺にハンカチを返すと俺をじっと見上げた。
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