勉強おしえたらイケメンに懐かれた

戸惑い

「クラブ.....ってこの学校にあったっけ?」

「ああ.....クラブっていうのは部活のことじゃなくて。なんていえばいいんだろう.....人が集まる場所みたいな。
ああ、別に危ない場所じゃないから。多分、皆良い人だと思う」

「へ.....へー」


これは行った方が良いのだろうか

ちょっと清和君、東大志望を舐めすぎてないかな.....?

東大とは想像を絶するほどの勉強をやってようやく行ける場所

特に.....元々成績が悪い人は今の内から頑張らなくちゃいけないのに


「あー、あー、今の時期に遊ぶのは不味いんじゃないのかな」

「まあ.....確かにそうかもしれないけど。ちょっとだけだから、ほんの30分だけ。そのクラブは駅に近いしさ」

「30分.....。30分なら.....行ってみようかな」

「ほんと!?ありがとう」


ああ.....本当はまだ迷いがあったけどその笑顔には勝てなかった

そうだ私は押しに弱かったんだ


「それじゃあ、早速行こうよ。高校の校門から左に曲がった通りにあるから」


私は清和君と図書館を出て、校門を下りた

その時の清和君は何だか少し緊張していた気がする

緊張していてそして色っぽかった

その姿に私はただただ見惚れるばかりだった

光り輝く通りを二人は小走りに歩いていく

そこは漫画の中の世界かと思うように眩しくて、別世界のようだった

その中でも清和君は異色を放って、行き交う人の視線が注がれる

光が輝いていて、清和君の肌は少し明るく赤くなっていた

たった20分の徒歩、だけど私にとっては1時間も感じた


「こ、ここがクラブ。さ、入ろうか」

「う、うん」


私は精一杯そう答える

キイって音を立ててクラブの扉が開いた

7:00の夕方、昼間は閑散としているが、夕方になればそこはお祭り会場になる


「眩しい.....」


明るい街の光を浴びてきた私でも更にその賑やかさには驚かされる

その中にあった景色はそれこそ危ない感じはしなかった

来ている人は高校生から大学生で危ない大人はいないはずなのに

そこは一段と大人の世界を感じるのはなぜだろう

音楽が流れ、皆ジュースを片手にただ喋っているだけなのに

入ろうか困惑している私の手を清和君は優しくとって言った


「俺さここ何で連れてきたか分かる?」

「そ、それは.....勉強の気休めに?」

「それもあるけど。俺さ、ここ実はいつも一人で来てるんだよね。というか人を遊びに誘ったの.....今日が初めて」

「そうなんだ.....。えっ!そうなの!?」


思わず私は驚愕してしまう

言い方は悪いけど、清和君私の中では外で色んな人と遊んでるイメージがあった

勝手な妄想してすみません、清和君


「今日店を誘ったのは、気休めというよりどっちかっていうと.....大事な人との親睦を深めるため.....?って言った方が良いかな」

「だ、だ、だ.....大事な人!?」

「誰かに店を誘ったことが無くて、普段行きつけの店しか思い浮かばなくて。俺、源さんの肩の力を和らげられるか分かんないけど。俺、頑張るから!」

「う、うん」


そう言って私たち二人は店の中に入っていく
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