PTSD
第五章 チャレンジ!
 コンクール当日。


街中を、ひとり。

大きめの色メガネをかけ。
スカーフを、
頭からスッポリとかぶり、
人の中を
おそるおそる


いちいち驚きながら歩く、
ローズの姿があった。


 そうしてやっと、
学校へ、たどり着き。


持て余してもどうしたらいいのか判らなかったので、

わざと。

ギリギリの時間を見計らい動いたおかけで、
ちょうどメリーアンのステージはこれから。

というタイミングだった。


 入り口を入ってすぐの
壁ぎわに居場所をきめ
ローズはほっと、息をついた。




 メリーアンのクラスの番となり
全員がステージへと並び、
一斉に、歌いだした。
その中に、
メリーアンもいた。


終盤に差し掛かったとき、
スッと。

一組の男女が
中央に歩みでた。
メリーアンは歌いだした。



♪何ができる?何かできる?
 この くたびれた私に
 (教えて?)

 何ができる?何かできる?
 この 錆ついた地球に
 (聴かせて)

 優しくすること(誰に?)
 大事にすること(何を?)

 すべてを


 あなたが 手のひらにのせ
 ホラって見せられるくらい

 こころ 感じられるのは
 ほんとうに優しかったからネ?


 気付く事
 声にすることを忘れないこと♪




気付くと
メリーアンは涙をこぼしながら
歌っていた。


 (あれは、メリーアンで

  私ダ) 
ローズも泣いていた。
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