堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「お……お母さん……?」

「母親かよ」
 蓮翔はボソッと言う。

『そっち行く用事出来たから』
『これからお母さん、羽希の寮まで行くわね!』

「え?」

『羽希の好きなものいっぱい持ってくから楽しみに待っててね。じゃ、また後でね』

 電話が切れた。

 わたしは寝ながら固まる。

「ど~した?」

「お母さん、今からここに来るって……」

 蓮翔はびっくりする。

「硝子の靴が!?」

「え? 硝子の靴?」

「お前、ラインにお母さんのこと硝子の靴で登録してるだろ」

「あっ」

「あっ、じゃねぇよ」
「どんだけセンスないんだよ。いや、あるか」

 わたしはベットから起き上がる。

「そんなことよりっ!」
「お母さんが来るんだよっ!!」
「どうしようっ!!」

「そんな慌てることないだろ、俺達双子なんだし」

「うん、そうだねって……いつ双子になった!?」

「最初からだけど?」

「アツコとか店長さんとかには通じたけど、お母さんには通用しないよっ!!」

「だろうな」

 だろうなって……。

「うう。どうしよう……」

 わたしが困っていると、蓮翔はわたしの顎をぐいっと持ち上げる。 

 えっ? 

 蓮翔は色っぽい目でわたしを見る。

 ドキッ。

「れ、蓮翔っ……?」
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