堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 え、素晴らしいっ!?!? 

「ほ、ほんと?」
 わたしは嬉しそうに聞き返す。

「これと交換ね」

 蓮翔は自分の作った小物入れとわたしの小物入れを交換する。

 蓮翔の小物入れ、プリントと同じっ!!
 すごいっ!! 
 完璧じゃんっ!!!! 

 わたしが蓮翔の小物入れに見惚れている間に、
 蓮翔は糸を針で物凄い速さで全部抜き取り、縫い直す。

 そして、3限の終わりの時間になり、わたしと蓮翔は先生に小物入れを提出しに教壇まで行く。

 先生は2つの小物入れを見ると、感動で泣き始める。

「こんな完璧な小物入れ見たことないわ!」
「石黒君、石黒さん、凄いわ!!」
「皆さん、拍手!!」
 先生がそう言うと、生徒達全員、パチパチパチと拍手する。

 ちょっぴり恥ずかしいけど、嬉しいっ!! 

 蓮翔は爽やかな笑みを浮かべる。

「羽希、良かったね」

「うんっ」

「……危うく、一生の恥をかくところだった」
 蓮翔はボソッと言う。

「え?」

「いや、なんでもないよ」
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