堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「――――蓮翔、あの人、婚約者だったんだね」
 部屋に着き、蓮翔とココアを飲み始めた時、わたしは話を切り出してみた。

「あ?」

「なんでずっと隠してたの?」

 蓮翔はついに観念したのか、ふぅ、とため息をつく。

「……お前には言いたくなかったから」

 わたしが頼りない粉被りだから?

 わたしはコップのココアを飲む。

「そっか…結局、蓮翔が家出てきたのって、婚約者が原因なの?」

「ああ。あんな婚約者押し付ける親がいる家に帰れっかよ」

「蓮翔、家族何人いるの?」

「俺と両親と姉」
「母さんは料理が下手で、その分姉は料理が得意でさ、姉に料理から色々教えてもらってた」

「そうなんだ……。両親は何してるの?」

「母は高校で音楽教えてて、父は大学で文学部の準教授してる」

 ええええええっ!?!? 
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