堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「……なんで」

「ん?」

「…………なんで昨日来なかったの?」
 わたしは小声で尋ねる。

「ああ、ごめん」
「エントリー出来たら気が抜けて、そのまま部屋で爆睡しちまったわ」

 爆睡って…………。

 あの汚い部屋でよく爆睡出来たな。

「お前の小説、コピペしながら読んだ」 

 えっ……。

「どう……だった?」

「最高駄作だったわ」

 最高の駄作…………!?!? 

 嬉しくねえええ。

「最後の一行」

 ドキッ。

「あれ、なんだよ?」

 わたしの目が泳ぐ。

「えっと、あれは良い文章が思い浮かばなくて、適当に書いただけで……」

「へぇ~。適当に大好きとか書けちゃうんだ?」

「……!」

 わたしの顔が、かあっと熱くなる。

「……べ、別に蓮翔のことなんかっ」 

 ぎゅっ。
 蓮翔は両腕で優しく包むように私を抱き締める。

「蓮翔……?」

「ごめん。いじりすぎた」

「えっ……」
< 247 / 256 >

この作品をシェア

pagetop