堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 蓮翔は扉の前でチラッとわたしを見る。
 そして、絶対見るなよ…と、まるでツルの恩返しのツルのように言う。

「み、見ないからっ!!」

「じゃあ、早く後ろ向け」

「うん。いてて……」

 筋肉痛に苦しみながらも蓮翔に背中を向ける。

「俺が風呂から出て着替えるまで絶対振り返るなよ」

「わ、分かってるもんっ!!」 

 蓮翔は風呂の扉を開ける。

「カビ、くっせぇ」

「くせぇくせぇ言うなっ」

 蓮翔は風呂の中に入っていく。
 そして扉の隙間から、ポイポイ出てくる下着。

 風呂の中で脱がなくても……。

 蓮翔は風呂の扉を閉める。
 聞こえてくるシャワー音。

 なんなの……。

 蓮翔の体なんて全く興味ないんだからぁっ!!
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