堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 蓮翔は風呂のノブを持ち、扉を開ける。

「くっせぇっ」 
 わたし達の声が重なった。

 ブルーの壁には、緑色のカビがめちゃくちゃついている。

「お前がちゃんと掃除しないからだぞ?」
「風呂桶の中、見てみろよ」

 わたしは風呂桶の中を見る。 
 壁よりも恐ろしいことになっていた。

「ひええっ。ご、ごめんなさいっ」

「てことで、今日はシャワーだけな」

 蓮翔はきゅっとシャワーの蛇口を捻る。

「座れ」

「はいっ」

 わたしは箱型のブルーのバスチェアに座る。

「目瞑っとけよ」

 わたしがきゅっと両目を瞑ると、蓮翔がシャワーを頭からかける。

 きゃあああああっ!!!!

「れっ……れんっ……」

「しゃべんなっ。口の中にお湯入るぞっ」

 わたしは口を閉じる。

 蓮翔はシャンプーを手に取り、水で薄めて泡立て、
 頭にポンポンとつけ、頭全体になじませていく。

 そして、下から上に向かって、
 わたしの髪を撫でるように優しくふわふわっと洗っていく。

 な、なんだろう。
 天国にいるみたいっ。

 気持ちいいわぁ。
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