堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 俺は今日のことを振り返え終わると、羽希を連れて走りながら、ふ、と笑う。

「蓮翔?」

「お前さ」

 俺は走りながら羽希に声をかける。

「ん?」

「少しは胸キュン分かったか?」

「全く分かんない」

 はぁ……。
 これだから、読まれない粉被り小説家は。

「よ~し、部屋でケーキ食いながらまた教えてやるよ」

「ケーキ!!!!」

 俺達は堕楽高校を出る。
 すると、女子が立っていた。

 その女子は、二重で長い栗色のパーマの髪をゴムで2つに結んでいる。

「……石黒羽希」
 女子はボソッと呟く。

 俺は女子を見ると、女子はプイッと顔を背ける。

 今、こいつ、粉被りの名前呼んだような……。
 ま、いっか。

 俺達は歩き出す。

 夕焼けがほんわかと笑っているように見えた。
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