新そよ風に乗って ⑤ 〜慈愛〜
「さっき、壁のところで待っているように言われたのに、こちらに来てしまって……」
言った途端、折原さんが笑いながら立って居る高橋さんを見た。
「ああ。別に、謝ることじゃない。悪いが、ちょっと呼ばれてるから」
「ちょっと、ちょっと上司さん? 部下を放置しないで下さいよ? あんまりほったらかしにしていると、どっか行っちゃうわよ?」
すると、高橋さんが左手で折原さんを宥める仕草を見せた。
「終わったら、また来るから」
「そう。良かったわね、矢島ちゃん」
「えっ? あ、あの……そ、そんな……」
「いっぱい食べて、パワーつけろよ?」
高橋さんはそう言うと、あっという間に言ってしまった。
行っちゃった……。
いったい、誰に呼ばれているんだろう? 売掛のテーブルに座っていたから、やっぱり黒沢さん達かな?
気になって、黒沢さん達が座っている売掛のテーブルの方を見たが、そこには高橋さんの姿はなかった。そのかわりに黒沢さんと目が合ってしまい、慌てて視線を元に戻した。
あれ? 高橋さん。何処に行ったんだろう?
「気になる?」
キョロキョロしていると、折原さんに言われてしまった。
「いえ、その……」
「高橋だったら、あそこに居るわよ」
折原さんの視線の先を追うと……。
先ほどまでの高橋さんとは打って変わって、真剣な表情で部長と2人で話をしていた。
「みんなが楽しんでいるっていうのに。こんな所まで来て高橋呼び付けて仕事の話なんてやめればいいのに。部長も、宴会中なのに空気読めないよなー」
言った途端、折原さんが笑いながら立って居る高橋さんを見た。
「ああ。別に、謝ることじゃない。悪いが、ちょっと呼ばれてるから」
「ちょっと、ちょっと上司さん? 部下を放置しないで下さいよ? あんまりほったらかしにしていると、どっか行っちゃうわよ?」
すると、高橋さんが左手で折原さんを宥める仕草を見せた。
「終わったら、また来るから」
「そう。良かったわね、矢島ちゃん」
「えっ? あ、あの……そ、そんな……」
「いっぱい食べて、パワーつけろよ?」
高橋さんはそう言うと、あっという間に言ってしまった。
行っちゃった……。
いったい、誰に呼ばれているんだろう? 売掛のテーブルに座っていたから、やっぱり黒沢さん達かな?
気になって、黒沢さん達が座っている売掛のテーブルの方を見たが、そこには高橋さんの姿はなかった。そのかわりに黒沢さんと目が合ってしまい、慌てて視線を元に戻した。
あれ? 高橋さん。何処に行ったんだろう?
「気になる?」
キョロキョロしていると、折原さんに言われてしまった。
「いえ、その……」
「高橋だったら、あそこに居るわよ」
折原さんの視線の先を追うと……。
先ほどまでの高橋さんとは打って変わって、真剣な表情で部長と2人で話をしていた。
「みんなが楽しんでいるっていうのに。こんな所まで来て高橋呼び付けて仕事の話なんてやめればいいのに。部長も、宴会中なのに空気読めないよなー」