ぬいぐるみのぼくは、ずっと片想い

物置き

「これでぜんぶだからー」

ダンボール箱をテーブルの上に置くと、

「何が入ってるんだ?」

お父さんが聞きました。

「んーと、小さいころ着てた服、あと汚いぬいぐるみ」

お父さんは驚いた表情で、

「あのぬいぐるみ、あったのかっ。どこにあった?」

「物置きのなかー」

「なんで、物置きに。ぬいぐるみが歩いたとか?」

「ない、ない」

「みお、なんか知ってるか?」

彼女はしばらく黙っていました。

もう一度、

「なんか知らないか?」

お父さんが聞き返すと、

「し、知らないって」

彼女は口早に答えて、
すぐさま2階の部屋に走っていきました。

「おい。もうすぐ、晩御飯だぞ」

お父さんが大きな声で言いましたが、
返事はありませんでした。

ふとんにもぐり込んで考えていました。

みおは、
あの日のことを思い出したのです。
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