天才ドクターは懐妊花嫁を滴る溺愛で抱き囲う

かぼちゃ以外はなにを出しても美味しそうに食べてくれる。

貴美子以外に料理を振る舞ったことがない羽海にとって、彼が食事している姿を見ている時間はとても幸せで心が温かくなった。

「……以前言っていたな。食事を残さず食べるだけで十分だと」

ぼそりと呟いた言葉が聞き取れず、隣を見上げて視線で問いかけたが、彗は肩を竦めて首を振るだけで答えない。

「そろそろ行くか。土産も見るんだろ?」
「はい」

時間をかけて水族館を上から下まで満喫し、土産屋でコツメカワウソのぬいぐるみを買い終えると、羽海の手を引いて歩いていた彗が急に立ち止まった。

「御剣先生?」

自然と羽海の足も止まり、疑問に思い呼びかけると、振り返った彼が真剣な眼差しで口を開いた。

「俺は気が長い方じゃないんだ」

一体なにを言い出すのかと首をかしげる。

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