天才ドクターは懐妊花嫁を滴る溺愛で抱き囲う

「あ……」

真面目で優等生な羽海にとって、交際していない男女がキスをしてベッドになだれ込むなど、こんなに不誠実でふしだらなことはない。

それなのに拒絶するどころか、気遣うように優しく触れる手や唇に翻弄され、心の奥底に芽生え始めた感情を見て見ぬふりをして、自ら彼に縋り抱きついていた。

恋人同士ではないのだから甘い言葉はないけれど、全身が蕩けそうになるほどの熱と、普段の俺様で強引な彼はどこへ行ったのかと思うほどの優しさと思いやりを感じる。

きっと、この夜を後悔する日など来ない。

痛みと快感に押し流される意識の中で、羽海はそう確信していた。



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