天才ドクターは懐妊花嫁を滴る溺愛で抱き囲う
「羽海」
このままではいけない。
そう脳内に警鐘が鳴っているにもかかわらず、名前を呼ばれると呼応するように彼の服をぎゅっと握りしめた。
人生初のお姫様抱っこで寝室へ運ばれれば、恋愛初心者の羽海でもこのあとの展開は予想できる。
「……もしかして、初めてか?」
嘘をついても仕方がないので、正直にこくりと頷くと、彼ははっと短く息を吐き、こつんと額を合わせて羽海に覆いかぶさってくる。
「優しくする」
たったひと言、それだけで僅かながらあった恐怖心は消え去り、ただおかしいくらいに胸が高鳴っていて、心臓が壊れてしまいそうなほど鼓動が速いリズムを刻んでいる。
肌をかすめる彼の手は大きくて、時折こちらを窺うように向けられる視線と同じくらい熱い。