またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「……はぁ」

 大きく息を吐き出し、そっと目を閉じると眠気が思考を拐っていく。

 だけど瞼の裏には、未来にいる家族やクラスメイトと浜田。そして、麻美の顔が浮んだ。

 きっと、みんな心配してる。だから、早く帰らないと。目尻から零れ落ちる雫の温もりを感じながら、ふと皇子が白い着物の裾で涙を拭ってくれたことを思い出す。

 ……そうだ。あの着物を、汚してしまったかもしれない。明日、ちゃんと謝ろう。私がまだ、この世界にあたならの話だけれど。
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