またキミに会うために~1400年の時を超えて~

過去と未来

「優花様。朝餉のご用意ができました」

 コロコロと心地よい鈴のような声に、ゆっくりと目を開く。すると、目の前にはパッチリとした大きな瞳が二つ。

「ひっ!」

 誰!?と、思ったのは一瞬で徐々にその顔を思い出す。

「さ、五月雨さん。お早うございます」

 そうだ。ここは飛鳥時代。どうら、目が覚めても未来には戻っていないようだ。

「おはようございます」と、二ッコリ微笑む顔がどこか麻美と重なる。その瞬間、心と一緒に身体に寒さを感じた。暖房も床暖房もない板の間は、寒いし身体が痛い。
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