夏恋サテライト

「…罰当たりそう」

「は?」



「贅沢すぎる、全部夢?」




熱のせいか思っていることは全てぽろぽろ口から出てしまう。




棗は怪訝な顔をして私を見る。

うん、かっこいい。




「顔赤、リンゴみたいだな」


「んん…棗手冷たい」




私の頬にそっと触れた棗の手を逃がさないようにきゅっと握る。


全部夢なら、ちょっとくらい甘えてもいいよね。




「棗…すき」




「…悪魔なの?お前」


「ん?」




棗の声が小さくて聞き取れず聞き返すけど、仏頂面くんは答えてくれない。




「棗、何考えてるか分からない」


「…お前鈍いからな」


「えぇ、私のせいなのか…けほっけほっ」




棗の感情読める人いるのかな?



だっていっつも表情変わらないし、何考えてるかも言わない。

柏崎くんなら分かるのかな…




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