パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
昨晩と同じく、ゾッとするくらい愉悦を含んでいた。

「潜入して正解だったね」

ふざけるように彼が笑い、おかげで少し、気が抜ける。

「潜入って……なにやってるんですか?」

だいたい、なんで駒木さんが派遣なんかで、しかも私の部署で働いているの?

「だってこうしないと会社内で花夜乃さんを守れないだろ?」

私が呆れ気味だからか、駒木さんはふて腐れている。
その気持ちは嬉しいが、これはあまりにもダメなのでは?

「仕事はどうしたんですか、仕事は」

そのうち料理が出てきて、話しながら食べる。

「東本くんに押しつけてきた」

「押しつけてきた、って……」

さらりと言って駒木さんは先付けを食べているが、よくない、よくないよ。
それに東本くんが気の毒だ。

「と、いうのは半分冗談。
有給が溜まってるんだ、だから早い夏休みを取ってきたんだよ」

「はぁ……」

だったらいいのか。
いや、今、〝半分冗談〟と言わなかった?

「とにかく問題はないから、花夜乃さんは気にしなくていいよ。
それに花夜乃さんのためなら、警察クビになってもいいし」

「えっ、それはダメですよ!」

クビになってもいいなんて言われて、さすがに慌てた。
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