パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
そしてさらにもしかして、私に人生負け組だとジャッジが下された?

「そっかー」

なんともいえない気持ちになって、その場にしゃがみ込んだ。
いくら顔がよくて、アプローチをしていても、結婚相手としては派遣は論外なんだ……。
私も駒木さんが本当に派遣社員だったら、どうしたんだろう?

「うわっ、びっくりした」

男の人の声が聞こえ、びくっと身体が震える。

「あ、すみません。
……って、駒木さんかー」

なんでもない顔をして立ち上がる。
でも、相手は駒木さんで、警戒して損した。

「なにやってるの?」

私の脇を通り、彼は奥にあるコーヒーマシンの前に立った。

「あー、駒木さんが警察のエリートでも御曹司でもなく本当に派遣だったら、私はどうしてたのかな、って」

「なにそれ」

顔もだが、それらが彼のモテる要因だとわかっている。
そんなものなく、ただの駒木さんだったら、私は好きになっていたんだろうか。

「また、難しいこと考えてる」

彼は長い指で私の眉間を突き、カップを手に壁に寄りかかった。

「花夜乃さんは僕がホームレスでも、アラブの石油王でも、僕を好きになってくれると信じてるよ」

「なんですか、それ」

駒木さんがホームレスなんて想像できな……いや。
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