パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「人事部長に連絡入れておくよ。
僕がここに潜り込めたの、彼を丸め込んだからだからね」

「はぁ……」

丸め込んだとはなにをしたんだろう?
狸と名高い人事部長と駒木さんなら、化かしあいが始まりそうだ。

人事部長にだいたいのあらましと警察がもうすぐ到着する旨を話し、駒木さんは通話を終えた。

「ところでコイツ、誰なの?」

今頃になってそんなことを言い、駒木さんは男の前にしゃがみ込んだ。

「ひぃっ」

もう男は駒木さんの顔を見るだけで、悲鳴を上げずにいられないようだ。

「こんなヤツ、花夜乃さんの部署にはいないよな。
やっぱり、変装?」

「ひ、ひぃっ」

駒木さんの手が、顔に触れるだけで男が情けない悲鳴を上げる。
前髪を掻き上げられて現れた顔は、――櫻井さん、だった。

「なんで櫻井さんが?
昨日だって私を、気遣ってくれたじゃないですか」

どうして彼が、こんなことをしたのかわからない。
東本くんだって犯人候補から除外しようとしていたくらいだ。

「……だって篠永が、オレの案を盗んでコンペに応募したじゃないか」

不機嫌そうに彼が、私から顔を背ける。
何度もいうが私は、コンペの案を盗んだりしていない。
彼から聞いた話からヒントを得た、とかもない。

「私は盗んだりしてませんが……」
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