パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
今回の事情聴取も駒木さん同席で、警察官たちは超緊張していた。

「ところでなんで、駒木警視があそこに……?」

その疑問はもっともだ。

「んー、秘密」

なんて駒木さんは誤魔化しているが、いいんだろうか。

今日はもう、帰っていいと言われていたので、事情聴取が終わって駒木さんの家に帰る。
結局、私のマンションに侵入してきた犯人も、あの卑猥なゴミを引き出しに入れたのも、櫻井さんだった。
さらに、データが飛んでいたのも。
もらったお菓子にもなにやら薬を仕込んでいたらしい。
私がコンペの一次に通ってから、なにがなんでも失格にしないと気が済まなかったそうだ。

「つか、れた……」

怒濤の一日で、なんか一週間くらい過ぎた気がする。

「かーやのさん」

唐突に、ソファーで隣に座った駒木さんから抱き締められた。

「お疲れ。
今日はよく、頑張ったね」

よしよしと頭を撫でられ、一気に気が緩む。

「ふぇ」

「ふぇ?」

「ふぇ、ふぇ、ふぇーん」

そのせいで、涙が溢れてきた。
自分ではダメージはないと思っていても、心にかなりの深手を負っていたみたいだ。

「うん、うん、今日は大変だったね」

ゆっくりと後ろ頭を撫でる、駒木さんの手が気持ちいい。

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